「なぜか集中できない」「社内が少し暗い印象…」——その原因、もしかすると“照明”にあるかもしれません。
オフィスの快適さは、レイアウトや家具だけでなく、“光の質と演出”によっても大きく左右されます。
今回は、オフィス照明が与える心理的な影響や、福岡でのオフィス改装にも活用されている快適な照明演出のテクニックを、やさしく専門的に解説していきます。
オフィス照明がもたらす心理的影響とは?
オフィスの照明は、単に「明るければ良い」わけではありません。
人間の心理や生理に大きく影響する要素であり、生産性やストレスレベルにも直結します。
1. 照明の「色温度」が集中力や気分に影響
色温度とは、光の色味を示す数値で、単位はケルビン(K)です。
色温度(K) | 見た目の色 | 主な効果 |
---|---|---|
2700K〜3500K | 電球色(暖かい光) | リラックス、落ち着き |
4000K〜5000K | 中間色(ナチュラル) | 安定感、自然な明るさ |
5000K〜6500K | 昼光色(白く明るい) | 集中力向上、覚醒効果 |
たとえば、会議室や執務スペースでは5000K以上の昼光色が推奨されますが、休憩スペースでは3000K前後の暖色系が好ましいとされています。
2. 明るさ(照度)が感情や生産性に与える影響
照明の明るさ(照度)は、オフィスの機能によって適切な値が異なります。
スペース | 推奨照度(lx) |
---|---|
執務スペース | 500〜750 lx |
会議室 | 300〜500 lx |
受付・エントランス | 200〜300 lx |
リラックススペース | 150〜250 lx |
照度が低すぎると目が疲れやすくなり、高すぎるとストレスの原因になることもあります。
シーン別・快適な照明演出のポイント
1. 執務スペース:集中と目の疲労軽減のバランス
- 色温度は 5000K前後の昼光色
- 明るさにムラが出ないよう 全面均等照明+デスク照明を併用
- ブラインドや間接光で、自然光とのバランスを整える
照明が偏ると“照度格差”が生まれ、目の負担が増加します。特にパソコン業務が中心の職場では、「まぶしすぎない白さ」を意識しましょう。
2. 会議室:集中+柔らかさの演出がポイント
- 色温度は 4000K前後の中間色
- 必要に応じて 調光可能なダウンライトや間接照明を採用
- プレゼン時は明暗の切り替えができると◎
「全体が白飛びして疲れる」という会議室には、天井照明+テーブル直上のスポット照明を組み合わせて、視点集中を促す光環境が効果的です。
3. 休憩・リフレッシュスペース:あえて“明るすぎない”光
- 色温度は 2700K〜3000Kの電球色
- 間接照明・スタンド照明・フロアライトなどを活用
- グリーンや木目との相性も意識
このスペースでは、業務モードをオフにできる雰囲気作りが大切です。まるでカフェのような照明演出が、気分転換に一役買います。
福岡の企業でも注目|“照明ブランディング”の考え方
福岡市内でも、オフィス照明をブランディングや採用戦略の一環として見直す企業が増えています。
【実例】福岡・天神のITベンチャー
- 天井にライティングレールを設置し、スポット照明でロゴウォールを照らす
- 会議室には天井照明を減らし、ペンダントライト+壁間接照明で印象的な空間を演出
- 夜間も柔らかい光で**“残業が苦にならない”居心地の良さ**を実現
視覚だけでなく、会社のカルチャーや働き方の価値観を伝える要素として「光の設計」を取り入れている好例です。
導入時に気をつけたい3つのポイント
1. 「明るすぎ」も「暗すぎ」もストレス要因に
特に執務スペースでは、色温度と照度のバランスを重視しましょう。照明が明るすぎると脳が疲れやすくなり、逆に暗すぎると集中力が低下します。
2. 調光・調色が可能なLED照明の導入を検討
調光機能のあるLED照明なら、時間帯や業務内容に合わせた柔軟な演出が可能。初期費用はやや高めでも、長期的にはメリットが大きいです。
3. 設置後の“光の広がり方”にも注意
天井の高さや内装の色・材質によって、光の反射や拡散が大きく変わるため、照明設計は机上の数値だけで判断しないこと。
必要に応じて照明のプロによるシミュレーションや現地調査を依頼しましょう。
快適なオフィスは「光」から始まる
空間の印象は、光の色と方向性によって驚くほど変わります。
集中力、生産性、リラックス、印象形成——これらを照明でコントロールできると、オフィスの“働く力”がグッと高まるのです。
おわりに|照明まで含めて“オフィスデザイン”
レイアウトや内装だけでなく、照明計画も含めてはじめて、真に機能するオフィスデザインが完成します。
福岡でオフィス移転や改装をお考えの方は、照明演出も含めたトータル設計を視野に入れてみてはいかがでしょうか?